コラム
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ジャマイカの国鳥ドクターバード 固有のハチドリの名前に伝わる二つの説明
ジャマイカの国鳥は、ドクターバード、またはスワローテイル・ハミングバードと呼ばれるハチドリです。以下では、政府の広報機関であるジャマイカ情報サービス(JIS)の国鳥の解説を中心に、国立図書館や中央銀行の公開資料も合わせて、この鳥が国鳥になったいきさつと、呼び名の由来をまとめます。鳥の暮らしぶりについては、これらの資料に書かれた範囲で触れます。
国の象徴に選ばれた経緯
国立図書館の解説「Jamaican National Symbols」によれば、独立を前に内閣の了承のもとで国花を選ぶ委員会が置かれ、その仕事はやがて国木、国の果物、国鳥にまで広げられました。国立図書館の独立についての解説は、委員会の顔ぶれとして、ジャマイカ園芸協会の会長G・H・スコット、エドナ・マンリー、ジャマイカ研究所の所長バーナード・ルイス、科学博物館の植物学者G・R・プロクター、公立庭園の管理者V・R・ジェームズの名を挙げています。委員会は、国鳥としてドクターバード、別名スワローテイル・ハミングバードを推し、あわせて国木にブルーマホー、国の果物にアキーを推しました。
生き物の象徴の扱い方
2014年7月31日の JIS の記事によると、記事の時点で、ドクターバードは、アキー、ブルーマホー、ライグナムバイタとともに、ジャマイカの4つの国の象徴の一つに数えられていました。記事は、生き物であるこれらの象徴について、敬意をもって扱い、芸術作品の中でも敬意をもって描くことを基本の決まりとして紹介しています。その考え方は、商品や広告での見せ方といった商売の場にも及ぶとされています。
硬貨に描かれた国の象徴
ジャマイカ銀行の通貨の歴史のページによると、十進法の通貨に切り替えるとき、それまですべての硬貨の表にあったイギリスの君主の肖像をジャマイカの国章に替え、裏には国の象徴を描くことが決まりました。25セント硬貨に描かれたのが、国鳥のスワローテイル・ハミングバード、つまりドクターバードです。ほかの額面にも、国の木や花、果物がそれぞれ描かれています。これらの硬貨の流通は1969年9月8日に始まり、造ったのはイギリスの王立造幣局でした。その後、1991年10月7日に出た新しい25セント硬貨には、国民的英雄マーカス・ガーベイの肖像が描かれ、形も丸から七角形に変わりました。2022年7月27日の JIS の記事によると、1969年の硬貨の図柄は、ジャマイカ銀行の貨幣博物館でも紹介されています。同じ記事によると、ジャマイカが十進法のドルとセントを使い始めたのは1969年9月8日で、硬貨は1、5、10、20、25セントの5種類、紙幣は50セントと1、2、10ドルでした。
どんな鳥か
JIS の国鳥のページによると、ドクターバードの学名はトロキルス・ポリトムスで、320種あるハチドリの中でも特に目を引く種類の一つです。この鳥が暮らしているのは、ジャマイカだけです。羽はほかの鳥には見られない美しさを持ち、見る角度によって色が変わる、ハチドリの仲間ならではの輝きを放つと説明されています。成長した雄には長い2本の尾があり、飛ぶと体の後ろにたなびきます。ドクターバードは、長年にわたってジャマイカの民話や歌の中で語り継がれてきたと書かれています。国立図書館のページも、この鳥を、ジャマイカだけに住み、何十年にもわたって民話や歌に登場してきた鳥として紹介しています。
名前に伝わる二つの説明
JIS のページは、「ドクターバード」という名前の由来ははっきりしていないとしたうえで、二つの説明を紹介しています。
- 一つは、立った黒い冠羽と長い尾が、昔の医者がかぶっていたシルクハットと、裾の長い燕尾服に似ているから、という説明です。
- もう一つは、くちばしで花を切開するようにして蜜を吸う、その様子を指している、という見方です。
どちらが正しいかは決まっていないため、ここでも二つの説明を並べるにとどめます。
言い伝えの中の鳥
JIS のページは、フレデリック・キャシディの説明として、この鳥が迷信の対象になってきたことを紹介しています。それによると、アラワクの人々はこの鳥に不思議な力があると信じ、亡くなった人の魂の生まれ変わりと考えて「神の鳥」と呼びました。こうした言い伝えは、民謡の中にも表れていると書かれています。
まとめ
ドクターバードは、ジャマイカだけに住むハチドリで、独立に向けて国の象徴を選んだ委員会によって国鳥に推されました。名前の由来には、昔の医者の服装に似た姿から来たという説明と、蜜を吸う様子から来たという説明があり、どちらとも決まっていません。ドルとセントに切り替えた1969年には、25セント硬貨の裏の図柄に選ばれています。
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参考にした資料
各ページの内容は、2026年10月13日に確かめたものです。