コラム

  • シスター・ロゼッタ・サープ エレキギターで歌いロックの殿堂に入ったゴスペル歌手

    シスター・ロゼッタ・サープは、ゴスペルを歌いながら自分でエレキギターを弾いた歌手で、2018年にロックの殿堂入りを果たしました。ここでは、ロックの殿堂の図書館・資料室がまとめた調べもののページと、全米人文科学基金(NEH)の雑誌に載った記事をもとに、彼女がどのように紹介されているかを整理します。生まれた年や、録音の一つひとつの評価など、これらの資料に書かれていないことには触れません。

    ロックの殿堂の図書館が伝える人物像

    ロックの殿堂の図書館・資料室は、所蔵する本や録音を案内する調べもののページを、人物や主題ごとに公開しています。サープのページは、冒頭で彼女を「ロックンロールで最初のギターのヒロイン」と呼んでいます。続けて、心のこもった素朴なゴスペルの歌い口から、愛用のギブソンSGを力強く操る演奏へと進み、その腕前は同じ時代の男性の名手たちに並ぶほどだったと書かれています。

    1938年に名が知られるようになり、1940年代を通じてスターであり続けたことも紹介されています。その姿は、黒人の女性が、自分で弾くエレキギターの激しい伴奏に乗せてゴスペルを歌うものだったと説明されています。さらにページは、サープという手本がいなければ、エルヴィス・プレスリー、リトル・リチャード、ジョニー・キャッシュ、ジェリー・リー・ルイスといったロックの草分けたちの歩みは違ったものになっていただろう、と述べています。

    影響を受けた人と、影響を与えた人

    ページの終わりにある「影響と遺産」の欄には、サープが影響を受けた音楽家として、マディ・ウォーターズ、ラッキー・ミリンダー、キャブ・キャロウェイの3人の名が挙がっています。反対に、サープに刺激を受けた音楽家としては、ジョニー・キャッシュ、キース・リチャーズ、ブリタニー・ハワードの3人が挙げられています。

    教師向けの案内の一人として

    同じ図書館は、ロックンロールのアフリカ系アメリカ人の女性についての資料を授業で使いたい教師に向けて、「ロックの中のアフリカ系アメリカ人女性」という案内も作っています。サープはその中の一人として、ルース・ブラウン、アレサ・フランクリン、ビリー・ホリデイ、ニーナ・シモン、ティナ・ターナーらと並んで取り上げられています。

    イギリスの若い音楽家たちに届いた音

    全米人文科学基金の雑誌「HUMANITIES」の2008年9・10月号は、サープがイギリスの音楽家に与えた影響を扱う短い記事を載せています。この記事は、基金のフェローでジョージ・ワシントン大学の教授であるゲイル・F・ウォルドの伝記『Shout, Sister, Shout!』(ビーコン・プレス)から、一節を出版社の許可を得て紹介したものです。

    その一節によると、サープはある夏にニューポート・フォーク・フェスティバルに出演したものの、フォークの場では周辺的な存在にとどまっていました。アコースティックギターが本物らしさの証とされたその場では、白いソリッドボディのギブソンSGカスタムも、彼女の新しさや洗練を示すしるしとしての意味を失った、と書かれています。一方のイギリスでは、彼女の音楽に新しいファンの層が生まれていました。

    一節には、1957年の時点でサープがロンドンの新聞「デイリー・ミラー」に、いまロックンロールと呼ばれているものは自分が何年も前から演奏してきたものだ、という趣旨の話をしていたことも出てきます。筆者は、男性の中の女性であり、世俗のブルースの奏者に交じるゴスペルの音楽家でもあったサープは、なお異例の存在として脇に置かれがちだったとしたうえで、派手さや型破りな芸風、ギターとの結びつきなど、いつも彼女をはみ出し者にしてきた性質そのものが、かえって1960年代のイギリスのブルース・ロックの若者たちを強く引きつけた、という見方を示しています。イギリスのバンド、ムーディー・ブルースのドラマー、グレアム・エッジが1992年に、アメリカの古い録音に出会った経験を語った言葉の中で、サープの名前を挙げたことも引かれています。そのうえで一節は、のちにブリティッシュ・インヴェイジョンと呼ばれる大西洋をまたいだ音の流れの中で、サープほど中心にいたアメリカの女性はほかにいなかった、と述べています。

    録音と資料をたどる手がかり

    ロックの殿堂の図書館のページには、サープについて調べるための本、録音、所蔵資料の一覧が並んでいます。本の欄には、ゲイル・F・ウォルドによる伝記『Shout, Sister, Shout!』(2007年)が挙がっています。この本は、家族や仕事仲間への聞き取りと思い出をもとに、草分けのゴスペル歌手、作曲家、録音の担い手、ギターの名手としての生涯と仕事をたどり、同じ時代の音楽家への影響を調べたものだと説明されています。

    録音の欄には、『The Gospel Of the Blues』や『Gospel, 1938-1943』といった CD が挙がっています。資料室の所蔵として紹介されているのは、ミルト・ゲイブラーの資料の中にあるサープの資料ファイルと、サープの写真の資料です。ゲイブラーの資料は1928年から2006年に及び、多くは1938年から1969年のもので、コモドア・レコードの創業者、デッカ・レコードで録音する音楽家と曲を担当した重役としての仕事が中心だと説明されています。

    まとめ

    シスター・ロゼッタ・サープは、ロックの殿堂の図書館で、ゴスペルを歌いながらエレキギターを弾き、のちのロックの草分けたちの手本になった人物として紹介されています。全米人文科学基金の雑誌に載った伝記の一節は、その音楽が1960年代のイギリスの若い音楽家たちにも届いていたことを伝えています。録音や伝記を探すときは、図書館のページに並ぶ一覧が手がかりになります。

    ジョン・ルーカス公式サイトのご案内

    このサイトは、ジャマイカ出身のシンガーソングライター・ゴスペルディレクター、ジョン・ルーカスの公式サイトです。公式サイトはJLミニストリー合同会社(仙台市若林区)が運営しています。ジョン・ルーカスは、幼いころからゴスペルクワイヤのメンバーとして歌ってきたと、プロフィールで紹介されています。アルバム『God is Good』には Oh Happy Day などのゴスペルの曲が収められています。年表は、公式サイトのプロフィールのページで読めます。公演の予定は、公式サイトのスケジュールのページで案内されています。ジョン・ルーカスの公演やイベントについてのお問い合わせは、公式サイトのお問い合わせページからご相談ください。

    参考にした資料

    各ページの内容は、2026年10月13日に確かめたものです。